2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

赤ちゃんが乗っています

この手のステッカーを車に貼る人は、そろって「周りの人にいろいろ気にしてほしいからだ」というものだが、傍から見るとなんて事はない、ただこの車に赤ちゃんが乗っている、という事実しか提示しない。見たからといって、見た人は気をつけることを強制され…

ようこそ矛盾の世界へ

近ごろ子供の失踪事件が増えている。失踪した子供が戻って来る事もなければ、犯人の目星もついていない。だから、今日もこうして子供が遊ぶためにわざわざ公園までついてこなければならない。あと何日、こういう日々が続くのだろう。 公園の真ん中にある噴水…

人格や権利の所在

例えば、量子レベルで正確に物体の構造をコピーすることができる機械ができたとする。人間の脳をスキャンして、炭素繊維で構造を置き換えて、脳を機械化することに成功したとする。そこから機械の体へ出力するためのインターフェースや、学習機能を持たせる…

晴れを呼ぶ猫の一生

君と初めて出会った日も晴れだった。君は僕が滑り台の上で昼寝している僕を見つけるなりびくっと体を硬直させ、涙目で逃げていったっけ。 君と会う日は、いつも晴れだった。公園で遊ぶ君は、暖かくて日当たりのいい滑り台の上で昼寝するのが日課だった僕が居…

感情処理回路

最近、自分の感情と、自分の表向きの振る舞いがかみ合っていないと感じる事が多くなった。笑っても、怒っていても、常にそんな自分を冷静に、あるいは無表情に見つめている自分という存在もいて、どちらかというと、その無表情なほうが自分の大部分を占める…

1コユビ

その瞬間、私の右足は、足元の衣裳ラックの角に、理想的な角度で突っ込み、小指と薬指の間に角が入って行った。そして、小指の進路を阻むことで、私の右足、そして体全体の動きを止めようとしたのである 。ぶつかり合った力のほとんどが、右足の小指に掛かる…

東海地震少年

東海地震がやってきた。その知らせに、地域住民はうんざりしている。三十年ほど前から幾度となく切り返されて来た避難訓練も、いつの間にかだらけ切ったものになってしまっていた。来るぞ来るぞと言われ続けて訓練を続けて来たが、そんな警告は結果としてい…

底無しのサービス

さて、ゲーム廃人の私である愛機でもあり、この間Rボタンを壊してしまって修理に出した私のニンテンドーDSLiteは、変わり果てた姿で戻って来た。 通信欄には「本体を新品と交換し、シリアルその他の情報を元のものに替えておきましたよ」と書かれていた。そ…

晴れを呼ぶ猫

母は朝から不機嫌だった。理由は分からない。そんな母親の不機嫌が僕にも移ったみたいだ。苛立ったような声で、買い物に行ってきなさいと言われれば、不機嫌が移るのも無理はないか。 曇り空の下、僕は歩き慣れた道をスーパーへ向かった。母の横暴とも言える…

まわるまわる

ゼロケルビン以上の物体は、分子が熱運動している。方向はランダム(ばらばら)で、運動エネルギーは温度に比例する。 そこで、こんな機関を考えて見る。小さな小さな風車を作る。それこそ、運動する気体分子が当たってくるくる回るような。そのままでは、ラ…

基本情報の反省

初受験だったので(こういう資格試験系が)雰囲気を見る意味でもあったし、もちろん受かるのも目標だった。今回落ちた時、次回に生かすため、ここに反省を書いておこうと思う。 まず、今日までの体調管理をもっと気をつけるべきだった。朝、寒くて乾燥してい…

節子、それのど飴やない。

このところ喉の調子が良くない。風邪を引いている訳ではないのだが、先週末からうすうすそう思っていた。家の中ならうがいをすれば済む事だが、出先ではそうも行かない。そこで思いついたのが、のど飴である。うがい薬のように複雑な動作もいらないし、何よ…

自我って本当に思いのまま?

ロボットにおける自我が疑似的なものに過ぎないというのなら、所詮人間が持つ「ココロ」のようなものの正体もまた、人間という精密機器の中にプリインストールされている疑似的な自我でしかなく、その挙動も脳の中に起こった化学反応の結果でしか無い訳だか…

冒険の書

愛用していたニンテンドーDSが、Rボタンが利かなくなってしまったので、修理に出した。だましだまし使えばなんとかなりそうだったが、しばらく使えなくてもいいやと思い、さっさと修理に出した。 昔だったら、ゲーム機が手元に無いのが嫌で仕方が無いほどの…

一駅

目を開けると、窓の外に見慣れない景色が流れていた。どうやら、また乗り過ごしてしまったらしい。乗り越しは一駅だけだったが、次の駅で乗り越し料金を払うと、折り返す列車に乗るお金は残っていなかった。しょうがない、歩いて帰ろう。 ここはだいぶ田舎だ…

うん。「また」なんだ。

うまい話というのには、大抵裏がある。私も、マルチ商法やら霊感商法、果てはカルト宗教など、一通りの”洗礼”は受けている。そのたびに、私の友人(少なくとも私はそう信じていた人間)はさらに減って行く。まあ、高校生のころはそれなりに大きな損失だと思…

常駐する思考ウィルス

例えば、期限内に終わらせなければならない作業があるとする。まあ、まともな人間だったら、それを期限内に終わらせなければならない、と思うだろう。そうなると、頭の片隅に、小さな小さな容量ではあるが、思考のリソースを占有してしまう。それは、その作…

学食に関する雑考

最近、学食のメニューの中で、鳥肉を使った料理の種類が増えているような気がする。いや、種類だけではない。量も暴力的な程に増えている。今日食べた料理は、夏休みの前に食べた同じ料理に比べて、鳥肉の量が6割増し位になっている。しかも、胸肉がもも肉に…

責任回避と無責任

日本人というのは、とにかく控えめで慎み深い。というより、むしろ自分を出したがらない性格であると、外人さんはしばしば言う事がある。 私も、日本人全体に対して、そして自分自身に関しても当てはまると思う。それは、恐らく日本人の中に無意識に刷り込ま…

改訂版幸せ関数

今になって一昨日の日記を見ると、やっちゃった感がある。幸せの関数がしっかり定義できていないのである。それを言うなら「幸せは指数関数」じゃないのか、という突っ込みが入ってもおかしくない。「一次関数的に増加する幸せを、対数(Log)的にしか感じるこ…

リア充であること

本当にリア充な人間は、自分がリア充であることになかなか気づかないようである。 大学生で言えば、「金曜日の授業が終わったら、夜までバイトに行って、土曜日の朝は早起きして車校。検定をパスして、夕方からは友達と飲み会。日曜日には彼女と映画行って、…

幸せは対数関数

ベルやマグニチュードと言った単位は、対数関数であるため、実際は1増えると10倍とか、32倍とか、そういう物の数え方をする。おそらく、その方が都合が良いからだろう。もしかすると、こういった対数的な感じ方という物こそが、人間本来の感覚と一致している…

子供はなぜ

小さな子供というのは、非常にやっかいな生き物である。それは、理屈が通じる相手ではないと言うところに、普通の人間とは違う扱いにくさが現れているのだ。 先日、自動車学校に行った時の事である。小さな男の子を預けて路上教習に行こうとする母親に、その…

雑考

人はネットワークの世界に何を求めるのか。 ある者は、そこに他者とのかかわりあいを求める。ネットワークはその媒介であり、道路であり、集会場である。ネットワークを介して、SNSなどにたどり着き、他者と関係を持ち、ある者はその関係を実界に反映させよ…

後味の悪い夢(4/4)

目の前に霧が立ち込め「それでいい」どこからか声がした。「人の命は確かに計り知れないものではあるが、それは多数の命と、一人の命を同等として扱う理由たりえるものではない。可能性に終わるだけの結果だったとしても、多数の命を危険にさらす行為は、賢…

後味の悪い夢(3/4)

次に気が付いたのは、火事になったホテルの客室だった。私は必死になって逃げ回り、大ホールが耐火構造になっており、防火設備も備え付けてあることを発見した。そこには、私と同じように自力でたどり着いた人間もいれば、ホテルの従業員に誘導されて来た人…

後味の悪い夢(2/4)

次に気が付いたのは、救急車の運転席だった。瀕死の患者を二人乗せていた。救急隊が懸命に応急処置をするが、そんな物は我々の気休めにしかならないくらい、ケガはひどい物だった。私は、出せるだけのスピードを精一杯出して病院に向かっていた。それでも、…

後味の悪い夢(1/4)

目覚めると、私は船の甲板にいた。周りの人全員が、私とその男を見ていた。男は体中から出血し、嘔吐しながら甲板を転げ回っていた。私は、しばらく呆然としながらそれを見ていた。隣の女性が私に言う。「早く、早くこの男を船から追放してください」私は、…

アイスイーターの夕暮れ

左側にある「あわせておしらセ!」の記事を読んでいたら、少しドキッとする記事を見つけてしまった。その名も「氷食症」である。なんでも、貧血による口腔内の温度上昇や、ストレスやらで、氷を食べずにはいられないようだ。詳しくはWikipediaあたりを読んで…

選択科目

大学で選択科目の抽選があった。私が選んだのは「経済と社会」といういかにもかたそうな科目である。こういうのを選ぶ人はそんなにいないだろうと思ったのだが、私の予想に反して、150人収容できる教室があっという間にいっぱいになり(私はその直前に教室に…