さよなら回転体-Ideapad S10eをSSDに換装する-

Lenovoに直接S10eを注文したはいいものの、配送目安を過ぎても全く音沙汰がないどころか、実際に届く数日前に購入後アンケートが届くなど、明らかにケンカ売られてるような対応でやきもきしている間に、安売りで32GBのSSDと2GBのメモリを衝動買い。いろいろな妄想をしているとやっとのことで本体が到着したので早速いじることにした。


ideapadSSD換装の記事では、だいたいTrueImageなどのディスククローン機能を使っているようだが、残念なことに私はソフトを持っていない。これだけのためにソフトを購入するのも馬鹿みたいなので、すべてをUbuntu上で行うことにした。私は異常な自信家なので、この作業をするにあたってHDDのバックアップを取っていない(本当はバックアップ用のHDDのGセンサが壊れて、自分自身の動作振動で自動停止を繰り返して使えなかったため)が、もしこの記事を見て同じことをする場合は絶対にバックアップを取ってほしい。なお、この記事は成功を保証するものではない。自己責任で試してもらいたい。

必要なものはUbuntu8.10(Verは違ってもいいかもしれない)のLiveCDとCDドライブ、SATA->USBのHDDケースだけ。私は以前に作ったLiveUSBがあるのでそれを利用した。そのうち大容量のSSDに換装したくなるに決まっているので、そのためにも以下に方法を記しておくことにする。


Ubuntuをブートして、そこからGPartedを起動する。
Windowsの入ったNTFSパーティションSSDの容量より少し小さめに縮小する。縮小していた部分はそのままでも、図のように新しいパーティションを切ってもいい。右端にリカバリ領域があるが、SSDの容量によっぽどの余裕がない限りは移さなくてもいいだろう。

このときハードディスクの先頭に未フォーマット領域っぽいものがある。これが非常にネック(後述)。こいつのせいで実は何時間もの時間を無駄にしたのだがそれはまた別のお話。

先頭から512bytes*16065セクタ空けて(HDDと同じように)パーティションコピーする。必要ならコピー先パーティションの後ろの部分を拡張してSSDを無駄なく使えるようにしてしまおう。

最終的にこうなっていればよい。GUIのアプリケーションはとっても楽だ。

GPartedの作業はここまで。次にターミナルを起動しての作業になる。ddで細かい作業をするので、各コマンドの実行前後にはよく確認、熟考すること。


まず、HDDからSSDにブートストラップローダを移す。
sudo dd if=/dev/(HDD) of=mbr.bin bs=512 count=1
sudo dd if=mbr.bin of=/dev/(SSD) bs=446 count=1
447バイト目以降はSSDパーティションテーブルなので、上書きしないように注意。


さて、謎の16065セクタだけれども、ここはブートストラップローダが読み込む拡張領域らしい。起動時に出てくる「リカバリはF11を押せ」などのメッセージ表示もここに入ってるみたい。詳しくはバイナリ読んでみないとわからないけど。ともかく、ここもちゃんと移植しないことにはうまく起動しないようである。


では、SSDの第一セクタ、ブートストラップローダ+パーティションテーブルのバックアップを取っておく。
sudo dd if=/dev/(SSD) of=mbr2.bin bs=512 count=1
次に、HDDの0から16064セクタまでをSSDに移す。
sudo dd if=/dev/(HDD) of=/dev/(SSD) bs=512 count=16065
これだと、パーティションテーブルがHDDのものになってしまうので、さっきのバックアップをもう一度上書き。
sudo dd if=mbr2.bin of=/dev/(SSD) bs=512 count=1
要するに、HDDの0から16064セクタまでのうち、パーティションテーブル以外ををSSDに移すことになるわけだ。
念のため、mbr.bin(HDD用)とmbr2.bin(SSD用)はUSBドライブか何かに保存しておくとよい。


Ubuntuをシャットダウンし、内臓HDDをSSDに換装して電源投入、チェックディスクが走って再起動されれば終了。おめでとう。HDDのバックアップをとっているなら別の何かに流用してもいいし、していないのならSSDリカバリ用として大切に保管しておこう。下手するとメーカーからリカバリメディアを高いお金で購入する羽目になる。


lenovo quickstart 終了から30秒程度でXPが起動する。加えてメモリも2GBにし、512MBをRamdiskにし、ブラウザのキャッシュやテンポラリ領域をここに指定した。体感速度は恐ろしく早く、ブラウジングもとても快適である。携帯時や使用中の振動も気にしなくていいことと、省電力や静音性も良くなったので非常に満足である。


追記:ベンチマーク

もとのHDD(5400rpm/160GB)
シーケンシャル R55.81/W51.10
ランダム512k R26.94/W24.33
ランダム4k R0.471/W0.992


TS32GSSD25S-M
シーケンシャル R114.6/W78.39
ランダム512k R107.3/W44.57
ランダム4k R11.31/W1.773


JM800QSU-2GのRamdisk
シーケンシャル R766.7/W776.0
ランダム512k R665.7/W621.9
ランダム4k R24.74/W23.43


CrystalDiskMark 試行5回/100MB(MB/s)


全体的に貧乏臭い記事でごめんなさい。
(追記:結構キーワードで飛んでくる人が多いので、図をいくつか入れてみました。後撮りなのでちょっとアレだけれども…)