2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

黒歴史(4/10)

ニュースでは、大学の受験資格にまで言及されていた。相変わらず、教師の我々に対する言い訳は、根拠の無い「大丈夫」だけで、私はますます不信感を大きくして行った。 半月ほど経過した頃、教育委員会からの質問書が高校に届いた。未履修がないかどうか、高…

黒歴史(3/10)

そして、3年生の秋、寒くなって来たころに未履修疑惑がニュースになった。私はそのニュースを見て、ネットワーク上のリソースから最新版の必修科目一覧を取得した。そして、高校から配布されていたシラバスや変更された科目一覧とを照らし合わせた。すると、…

黒歴史(2/10)

そもそもの発端は、高校2年生になったばかりの科目選択である。社会科の科目選択の際に、教師は私達に次のような説明をした。 前年度までは、現代社会の授業と地理Bの授業とを両方やっていたが、勉強時間を2科目分取るのが困難であるため、今年度から選択制…

黒歴史(1/10)

今年も寒い季節がやってきた。去年の私は、受験期間の真っ只中にあって、何につけても勉強勉強と、本当に勉強ばかりしていた記憶がある。そして、私を含む去年の受験生が体験した絶体絶命の忌まわしい記憶も思い出す。 未履修、もしくは履修漏れ。去年のこの…

彼の死に様

彼は日課である朝の散歩をしていた。いつものように海辺を歩いていると、砂浜に小ビンが落ちていた。彼が大学で第二外国語の講義をちゃんと受けていれば、ドイツ語の「開けるな」というラベルが読めたかもしれない。あるいは、読めていたが好奇心が勝ってい…

所持金250円

目の前にはどうしても欲しい人形がある。値札は付いていない。その代わりに、その人形は他のいくつかの人形と一緒に、大きなガラスケースの中に入っている。そして、その手前には「1Play \100,6Play \500」と書かれているパネルがある。UFOキャッチャーと呼…

ゆるやかに加速していく時間の流れ

年をとると一年が短く感じるようになる。子供の頃って、一年ってものすごく長いように感じたはずなのに、今ではちょっとした節目にしか思えなくなってくる。 それに、小学校に上がる前の記憶なんかは、「映像」や「音声」「画像」という形で、比較的たくさん…

木曜日32時00分

人間の体とは、本当に不思議なものである。その場の気分やノリで、体は想定された限界をいとも簡単に越えて起き続けることができるのだ。たとえ飲み会の結果終電を逃してしまったとしても、次の日の始発列車に乗れば良いのだと、それまで徹夜で遊び続ければ…

物事を教わるということ

世の中にはいろいろな塾があふれている。私は、この「塾」というものは、大まかに2種類に分けられると思う。 一つは、何かの能力、技能を身につけるためにどうしても必要な環境としての塾である。広くて静かな場所が要求される書道塾や、高価な楽器を使わな…

崩れ行く世界の中心で

興味本位で開けた壷の中には、おぞましい化け物がいた。まるで悪魔のようだった。その悪魔は人語を解するようで、私にこう言った。 「無条件で3つの願いを叶えてやる。さあ言え」 私は、悪魔が言葉を喋ったことと、その内容に驚きこう口走ってしまった。 「…

体育を習う

信じられない事だが、最近は体育の家庭教師という仕事があるらしい。なんでも、子供の身体能力の低下が叫ばれる中で、運動会の徒競走でビリにならないための特訓メニューやフォームなどを教えるのだそうだ。こういうことって、確か小学校の担任が教えてくれ…

夢は諦めるものだったか

フィールドワークという実習授業がある。この科目は、私の通う学部では、学科に関係なく受けることになっているものである。内容も広く、学部で習う範囲から外れるものも多い。幸い私はどの方面もある程度分かっているので、とても楽しく受講しているが、そ…

ソースコードは楽しげに

初めて自分の手で作ったプログラムは、簡単な三目並べのようなゲームだった。言語は忘れてしまったけれども、確かBASICに毛が生えたような言語で、流れ図とか、そんなものを知るはずも無い私は、やたらif文とgotoを使ってトリッキーなコードを吐き出していた…

軸性近視について

日本人の近視に関する知識の無さは異常である。普通の人が分かっていないのはまあしょうがないけど、医者もよく分かっていないのはだいぶ問題である。 私は、小学校に上ったあたりから視力が落ち始めた。きっかけは、遠くの車のナンバーが見えにくくなったと…

大人になるということ

大人になるというのはどういうことだろうか。大人と子供の境界線というのは曖昧で、明日から私は大人なんだとか、日付が変われば大人になれるなどということはない。大体多数の人が、気がついたら大人として暮さざるを得ない状況だったとか、知らないうちに…

相互「環」視社会

最初は、個人が趣味の一環として、新しくできた動画配信サービスで自分の部屋や仕事場の映像をリアルタイム配信しているだけだった。それを身近な誰か、あるいは名も知らぬ誰かに見られているという緊張感が、堕落しきった生活に刺激を与えた。それは完全に…

不協和音を聴いた時に背筋に走るもの

小さいころからmidiをやって来て、電子的に正しい音階が染み付いている様な気がしたが、どれくらい音感があるのだろう。こんな疑問をふと感じて、高校生の頃にmidiシーケンサーを使って実験をして見たことがある。結果として、私は3Hz位の差なら簡単に聞き分…

リア充であるということ

リア充というのは、現実生活が「充実」していることで、主にネットワーク上でマイナスイメージとして使われることが多い単語である。私は当初、この言葉にプラスのイメージを持っていた。ところが最近、私はなぜ「リア充」という言葉が、ややマイナスのイメ…

充実するということ

時間は無限にあるように見えるけれども、有限のリソースである。長期的に見れば人生そのものが、もっと分かりやすく短いスパンで考えれば、一日や一コマの授業時間もそうである。 ある人は一日の大半を寝て過ごすのかもしれない。またある人は勉強に時間をつ…

ジャガイモを見て

宇宙の外はどうなっているんだろう。そもそも宇宙ってなんだ。倉庫だったりして。宇宙は無重力の倉庫で、そこに浮かんでる地球は、倉庫で転がっているじゃがいもみたいな物だったりして。誰もそれは否定出来ない。なぜなら誰も真実を知らないからだ。で、人…

束の間

遠くに銃声が響く。 開戦時は将校としてこの戦争に関わって来たが、総力戦もそんなに長くは続かず、武器もろくに与えられずに、階級も関係なく、白兵戦に駆り出された時から、こうなることは十分覚悟していた。 正義の戦争と言えば聞こえはいいが、正義なん…

手のひらを返すように

一つの出来事があるとする。そこにはいくつかの世論がある。その世論というものが強くクローズアップされるような出来事もあれば、そうでもない事も多いが、とにかく、傍観者としての我々という集団の中でうっすらと形作られていく意思というものは、確かに…

オカズ係数論

そんなに甘い卵焼きばかり弁当に入れられていても、ご飯がちっとも進まないとか、野菜じゃ飯が食えないなどの不平不満というのは、いつの時代でも必ずあるわけで、その原因は弁当を作る側、彼女や母親や伴侶などの、食べる人に健康になってほしいという純粋…

やっぱり理不尽

私が小学生や中学生のころに感じた、国語のテストの理不尽さは、やはり今考えても理不尽なものであるといえる。 特に、物語文の一部を抜粋して、記述解答させる問題は私の最も苦手とする類のものだった。いくら情景の描写があったとしても、その時点での登場…

世論の色

人間のココロや感情といった類のものは、よく色にたとえられる。今日はブルーな一日とか、黄色はハッピーだとか、怒りの感情は赤である、などのことである。また、印象、イメージというのも色で語られることが多い。癒しのイメージは緑であったり、空色がさ…

鉄の流星群

一際明るい光が、夜空に一筋の軌跡を残して行く。ああ、珍しいな、流れ星か。そういえば、子供の頃なんかはよくあれに願い事をしたんだっけ、流れ星はそんなに長い間出ている訳ではないから、欲張ってあまり長い願い事を言おうとすると、三度唱えるのが間に…

ポケモン廃人

小学生の頃に初代と金銀をやって以来、ポケモンをやってなかった時期があったが、私の都合に関係なく、ポケモンというゲームソフトはプラットフォームを変え今まで生き残っていたわけで、久しぶりに時間的自由ができて、私がダイヤ/パールに手を出し始めるこ…

単なる日記

まぶしい日差しに目を覚ますと、部屋の天窓から青空が見えている。すがすがしい。 あまりに天気がいいので、布団を干す。ついでに、床に散らばっている参考書や箱を片付けて、床に敷いてあるラグも、ほこりを取るために干す。床が見えたので、掃除機で一通り…

光は永遠を駆ける

そのロケットが東の空に消えてから約50分。西の空に、随分と古ぼけた様子の同じロケットが着陸体勢に入ったのが見えた。滑走路に降り立った機体の動きが止まった瞬間、さっきまで物理演算装置の前で唸ってた技師や、ブリーフィング画面を見ながら何かに祈っ…

大人になるというイメージ

過去に自分が、消防士になりたいとかプログラマになりたいだとか、はたまた総理大臣になりたいだとか、そういう夢や目標は誰しも持ったことだろう。そんな、何気ない瞬間に、夢の中の真っ白な平原に立つあなたは、目の前の地面に一本の線が引かれるのを見る…