自販機陰謀説

飲み物の自販機というのは、非常に便利な物である。どこにでも置くことができ、さまざまな種類を売っている。利用者は、いつも冷蔵庫に飲み物を備える必要もなく、冷えた、あるいは温かい飲み物を口にする事ができる。だれが考えついたのかは知らないが、ものすごく頭が切れる人なのだろう。
ところが、この便利な発明に余計な機能をつけた極悪人がいる。余計な機能というのは、ずばり「お釣りを忘れずに」という音声である。このメッセージの真意は、利用者に対して釣銭を忘れないように呼びかけるなどと言った良心的な物ではない。本当の目的は、利用者の目を釣銭に引き付けさせることで、利用者が商品から目を逸らすことを狙った悪質な機能なのである。利用者は、釣銭を忘れなくてよかった、と晴れ晴れした顔で、商品を忘れて去ってしまう。自販機は、後でこっそりその商品を機械の内部へと戻すのだ。
ひどい自販機だと、わざと料金を10円安くして、ペットボトルなどの高額商品を購入する際に、わざと釣銭を出させるようになる。そして一枚の硬貨で利用者を引き付け、商品を掠め取るのだ。まったく油断も隙もない。
おかしいという人もいるだろうが、これは真実なのである。飲料会社の陰謀なのである。実際、私も先程、見事にだまされて、途中で引き換えしたのはよかったものの、既にペットボトルは機械の内部に戻された後だったのだから。